ソウルバイオシスと米国SETi社、 国際宇宙ステーションの生物学的汚染除去に採用された技術の共同商業化に合意
2015. 09. 08
ソウルバイオシスと米国SETi社、
国際宇宙ステーションの生物学的汚染除去に採用された技術の共同商業化に合意
 
- 特定の波長帯の紫外線(UV)を用いた最先端の殺菌技術「バイオレッズ」がNASAによって国際宇宙ステーション(ISS)で採用された。
- 紫外線応用技術は、生活の身の回りで多く使われており、安全かつ積極的な活用が必要
- 人体に無害で、環境に優しい「バイオレッズ」技術の日常生活での用途拡大を見込む
 
韓国安山市—2015年9月10日—世界的なUV LED (紫外線発光ダイオード)ソリューション企業であるSeoul Viosys Co., Ltd. (本社:韓国安山市、CEO:Jaejo Kim、以下「ソウルバイオシス」) と米国の代表的な短波長UV LEDメーカーのパイオニアSensor Electronics Technology Inc. (CEO: Emmanuel Lakios、以下「SETi社」)は、国際宇宙ステーションで使用された「バイオレッズ(Violeds)」技術を共同で商業化し、関連分野の営業拡大を決定したと9月8日に発表しました。
 
国際宇宙ステーションに使用されたバイオレッズ技術は、殺菌能力の高い特定の紫外線波長帯(275nm)を用いた最先端の殺菌技術です。この技術は、密閉された宇宙ステーションで様々な実験に活用されており、宇宙ステーションの内部を無菌状態に維持しつつ、宇宙飛行士の安全性を確保しています。
 
一般的に、紫外線(UV)は人体に有害であると思われていますが、実際には、人間に必要不可欠な光でもあります。私たちの体に必要なビタミンDは食べ物だけでは必要量を摂取することができず、日光の紫外線光が作り出すビタミンDで補完されています。紫外線は殺菌機能を備えているため、長時間直接さらされると、人体に害をもたらしますが、露出される時間と範囲を適切に調節して活用すれば、細菌およびバクテリアの除去、水と空気の浄化、硬化や検出などの多様な用途に活用可能となります
。
実際には、私たちの身の回りで簡単に見つけることができる蛍光灯も紫外線を放出していますが、その量が少なく、人体への害は確認されていません。米国、欧州などでは、紫外線による直接照射の許容範囲を規定しており、蛍光灯の場合、30cm以内の距離で30分以上連続してさらされないように勧告しています。紫外線が人体に有害だという漠然とした認識を捨て、すでに私たちの生活の中で有効に活用されている紫外線の使用基準をしっかり熟知して積極的に活用する必要があります。
 
ソウルバイオシスは、2001年に世界で初めて長波長紫外線(Near UV)を開発した日本のナイトライド・セミコンダクター社の技術協力提案で、2002年に設立されました。すでに長波長紫外線の分野に優れた技術力を確保していたソウルバイオシスは、短波長紫外線の応用市場の成長可能性をいち早く見通し、源泉技術の確保と生産能力の拡張のために着実な取り組みをしてきました。さらに、短波長紫外線(Deep UV)の源泉技術を確保するために、ソウルバイオシスは、短波長紫外線の技術を世界で初めて開発した米国のSETi社に2005年から出資し、徐々に出資比率を高め、10年以上の技術協力関係を維持してきました。また、大量生産を通じたUV市場の拡大を目指し、着実に設備を拡張し、現在年間10億個以上のUV LED製造能力を備えるに至っています。
 
UV大量生産のために、3年以上をかけて、ソウルバイオシスは、辛抱強く交渉を続けた結果、米国国防総省と外国投資委員会からSETi社の経営権取得の承認を受け、SETi社の製造施設を3倍に拡大することを決定しました。また、「バイオレッズ」技術を拡大適用するために、ソウルバイオシスの製造能力を活用して関連製品を量産し、これを通じてUVの価格を大幅に下げて普及を拡大していく予定です。
 
米国SETi社CEOのEmmanuel Lakios氏は、「UV LED業界をリードしている「バイオレッズ」技術は、その価値と性能をNASAによって認められ、国際宇宙ステーションに採用されたことを誇りに思います」とし、「環境に優しい「バイオレッズ」技術は、これまで殺菌の必要性は高かったものの、実際の適用に困難を経験してきた家電製品や自動車のエアコンなど、様々な製品に適用されるでしょう」と期待を寄せています。
 
SETi社のコメントと関連し、ソウルバイオシスCEOのJaejo Kim氏は、「殺菌目的で宇宙ステーションに採用された「バイオレッズ」技術は、「創造経済」の良い例であり、新しい技術が雇用を創出し、経済発展に寄与していくものです」とコメントしました。
 
 
<参考>
「バイオレッズ(Violeds)」技術とは?
UV LEDソリューション企業ソウルバイオシスと米国の短波長紫外線(Deep UV)専門企業SETi社が、UV LED技術を活用して人類に安全でクリーンな環境を提供しようと共同開発した新概念のクリーン技術。単純な光触媒結合ではなく、光集積と指向角に関連する特許を活用した光源一体の技術で、人体に無害で、従来のLEDとは異なり、殺菌や汚染物質の分解特性を有する特定のエネルギーの機能性光子(光の粒子)と光触媒を利用して、水、空気、表面などの殺菌及び浄化、脱臭などの用途に活用することができる。生活用品や治療や診断目的の生命科学応用機器などにも多様に適用が可能。
 
*紫外線とは?
太陽光のスペクトルを写真で撮影したときに、目で識別可能な可視光線よりも波長が短く、目に見えない光である。紫色の外にある線という意味で紫外線(UV:Ultra Violet)と呼ぶ。
 
*紫外線殺菌の必要性
米国の権威ある媒体であるTime紙およびCBNニュースなどによると、私たちが使用している携帯電話には、便座より10倍も多くの細菌が繁殖しているという。ABCニュースは、洗濯機の中の細菌のために洗濯物が汚染されることがあると警告したことがあり、国内新聞社では、女性の化粧道具に靴のインソールより22倍多くの細菌が繁殖し、女性のハンドバッグ5つのうちの1つは、トイレより多くのバクテリアが発見されると報道している。このように私たちの日常の中で、細菌はどこにでも簡単に繁殖し、よく目に見えないため除去することは容易ではない。また、携帯電話、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、エアコンなど、水と化学薬品を使って洗浄することができない場合や、内部を洗浄することが困難な製品の場合には、必要性は誰も感じるものの、殺菌をする方法を見つけることができず、そのまま放置することが多い。このようなところに環境に配慮した、低消費電力、小型のUV技術を活用すれば、目に見えない細菌除去はもちろん、自動車のエアコン、洗濯機などの手の届かないところに繁殖した細菌も簡単に除去することができる。代表的な最先端のUVアプリケーション技術であるソウルバイオシスの「バイオレッズ」技術は、宇宙ステーションなどの最先端分野に適用されるだけでなく、家電、キッチン、流し台などの日常生活と密接に関係のある製品にも応用されていくと予想される。
 
*ソウルバイオシスの紹介
ソウルバイオシスは、LED専門企業であるソウル半導体とその役員および社員が投資して設立された紫外線LED (UV LED)と青色LEDチップ専門の製造会社。2002年の設立以来、紫外線(UV) LED関連の研究開発を継続して、紫外線応用分野に注力してUV LEDの普及拡大に貢献しており、次世代の未来産業を主導する電子素子に関連する研究開発も継続して行っている。ソウルバイオシスの2015年(6月)の基準資産規模は、3,700億ウォンに達しており、現在約700人の従業員がUV LEDの製造および研究開発を行っている。
 
報道関係者お問い合わせ先:
日本支社:ジャパンソウル半導体株式会社
広報担当
03-5360-7620